トイレの後に石けんで手洗いする人はたった19%

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15 October 2018
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石けんと水を使って手を洗うことで、下痢の発症が50%近く減少する一方、世界では、トイレの後に石けんで手洗いをする人はたった19%-約5人に1人です。「世界手洗いの日」である10月15日、ウォーターエイドは、各国政府に対し、命を救うためには、水とトイレに加えて、手洗いの促進も優先化する必要があることを呼びかけています。

今年の世界手洗いの日のテーマは食品衛生と栄養-「清潔な手は、健康のための『レシピ』」です。手を洗うという簡単な行動で命を救うことができるのです。石けんで手洗いをすることで、食料を安全に保つことができ、病気を防ぐことができ、さらには子供たちが強く健やかに成長することが可能になります。それによって子供たちの生命が守られ、適切な栄養状態が実現します。子供たちは毎日学校に行くことができ、生産性の向上によって経済効果も上がります。

 一方、世界では、トイレの後、5人に1人しか石けんで手を洗いません。もしそのような人々が、そのまま食料を摂取したり、他の人のために調理したりすると、食料が汚染され、下痢の発症リスクが非常に高くなります。  

世界では毎年、5歳以下の子供たち289,000人が、不衛生な水、不適切な衛生設備(トイレ)、そして石けんを使って手を洗わないことを直接的な原因とする下痢によって、命を落としています。1億5100万人の子供たちは、慢性的な感染症ならびに腸内寄生虫が主要因である低栄養によって発育が阻害されています。  

ウォーターエイドの衛生習慣に向けたシニア水・衛生マネージャーであるオム・プラサド・ガウタムは以下のように話します。

「石けんで手を洗うことは、手を衛生的に保つため、ひいては病気を防ぎ、低栄養を減らし、多くの命を救うために不可欠であることは明らかです。このような潜在的な効果があるにもかかわらず、手洗いに関する世界の対応は低く、人口のたった19%しかトイレの後に石けんで手を洗わず、食物由来の感染症の発症率は高いままです。  

石けんを使った手洗いと適切な食品衛生の組み合わせは、健康と経済効果をもたらします。保健医療従事者にとっても、石けんで手を洗うことは、治療の質を改善し、交差感染(医療現場における感染等)のリスクを軽減するための基本です。石けんでの手洗いによって、子供たちは健康で学校に通うことが可能になります。大人たちも健康を維持し、収入を得るために仕事に行ったり、家族の世話をしたりすることが可能になります。」  

ウォーターエイドは、各国政府やリーダーに対し、手洗いを促進するプログラムを優先化すること、特に長期的な行動変容に注力することを呼びかけています。最近の好事例としては、東南アジアにおいて手洗い行動の長期的な変容を生み出すことに注力している「手洗い行動変容シンクタンク(Handwashing Behaviour Change Think Tank)」 があります。

 手洗いに関する事実・数字

  • 手は病気を引き起こす細菌の主要な「キャリア(運搬者)」です。
  • トイレの後、約5人に1人(19%)が手洗いをします。
  • 石けんを使った手洗いによって、下痢の発症リスクは42~47%減少します。
  • 手洗いは公衆衛生の基本であるにもかかわらず、世界で手洗いを行われている率は非常に低く、その数字に開きがあります。
  • 下痢による子供の死亡のうち88%は、衛生設備(トイレ)が利用できないこと、ならびに不適切な衛生習慣が原因です。[Liu L, et al. Lancet]